【インタビュー】ARK Investmentのキャッシー・ウットさんインタビュー:インフレーション、暗号通貨、流動性に関して

インタビュー

こんにちは。寅さんです。

2021年2月27日公開の、ARK Investmentのキャッシー・ウットさんのインタビューです。

現在のマーケットに対してのARK Investmentの立場を説明していて、ある程度納得出来る話でした。

立場上仕方ないとは思いますが、前向き過ぎる気もする内容でした。

和訳してまとめましたので、ご参考にしていただければ嬉しいです。

まとめ

  • FEDは緩和を継続、雇用が最優先し、インフレーションは2%を超える
  • 可処分資産が増えていて、投資に使える弾が溜まってきている
  • 暗号紙幣は現時点では多少投機的かもしれないが、環境に悪い・違法行為に使われるというのは誤解
  • 株式マーケットは、米国債の利回りをそこまで気にしていない。
  • 株式のETFは債券のETFより構造的にずっと流動性が高く、問題は起きない
寅さん
寅さん

前向きな発言が多いですね。

インフレーションが来ることに対しては複数の有名投資家の意見が一致しています。

最近はぱっとしない金(GLDM)ですが、持ち続けます。

インタビュー内容

通貨政策に関して

  • FEDは緩和を継続、雇用が最優先
  • インフレーションは2%を超える
  • 金融緩和をやめる動きは予想していない
  • マーケットは予想して動くかもしれない

コモディティ(Commodity)に関して

  • 銅(Copper): 金(Gold)よりも大幅に上昇

銅は、Commodity with Ph.Dと言われ、経済のターニングポイントを予測する役割を果たすと考えられている。産業用に最も多く使われるためであり、去年の下落時も銅が先に下がった。

Figure 1: Coronavirus (COVID-19) timeline and market (lack of?) response  56 Deaths/lst US Case  3,360  3,320  3,280  3,240  3,160  3, 1m  3,080  3,040  3,000  2,960  Source: Eikon  Copper  Virus Identified  SPX  1st Death Reported  Death Toll>SARS  1st ex-China Death  WHO Global Emergency  17 Deaths/Wuhan Quarantine  2.82  2.79  2.76  2.73  2.7  2.67  2.64  2.61  z 58  255  2.52  09  16  December 2019  66  13  January 2020  d3  10  18 24  February 2020  d2  Imar 20

(Eikonの資料より抜粋)

  • 金: 安全資産、インフレーションへのヘッジとして使われる
  • ドル: 弱い
  • 不動産: 上昇中(2桁の上昇率)

景気支援策

  • 2兆ドル: もうすぐ可決の予定
  • 3兆〜4兆ドル: インフラ支援策が準備中
  • 6000億ドルの支援策がすでに始まっている
  • 可処分資産が増えている投資に使える弾が十分
寅さん
寅さん

家計の可処分資産が増えているということは、

経済に対して悲観的だから溜め込んでいるという見方もできると思います。

同じ数字を見ても解釈が異なることがあるから投資は難しいですね。

Personal Saving  Observation:  Jan 2021: 20.5  Units:  Percent,  Rate (PSAVERT)  Frequency:  Monthly  DOWNLOAD  IY 1 5Y I IOY I Max  EDIT GRAPH  Updated: Feb 26, 2021 Seasonally Adjusted  Annual Rate  FRED  — Personal Saving Rate  2011-01-01  2018  2021-01-01  35  30  25  20  15  10  5  2012  2014  2016  Source: U.S. Bureau of Economic Analysis  2020  fred.stlouisfed.0FB

債券マーケットに関して

債券に対する記録的なショート(Short)は、20年ぶり

10年満期米国債の金利が0.5%→1.6%

変動率が株式マーケットを超えていて、債券マーケットはバブル

マーケットの方がFEDより進んでいる

マーケットは経済はより良くなり、これ以上の量的緩和政策は不要になることを予測している

FEDもそのうち同じ考えになり、ついてくると考えている

現在は、2016年末〜2017年の状況に近いと考えている

緩和が終わって、基準金利の上昇が始まり、マーケットの心配が爆発していたところ、トラップが当選

  • 減税
  • 景気が良くなり、景気敏感株(Cyclical)が上昇
  • バリュー株が急騰

現在は、バリュー株が先に上がって、テックは上昇していない。

上昇するセクターが広くなっていると見ている。

特定のセクターだけ集中的に上昇することは健全ではない。

(ドットコムバブル)

2017年はすべてのセクターにとって良いマーケットだった。

2021年も同じ流れになる

心配 暗号貨幣(Crypto)

Yellenさんの投機的、環境に悪い、違法的な行為を助長するという発言があったが、これらは間違いである。

  • 価格上昇に関しては、わからなくはない
  • 環境に関しては、

ARK InvestmentのCrypto報告書に詳しく書いているので参考にして欲しい。そちらに、環境に関する内容も含まれている。

金の採掘とビットコインの採掘、どちらがエネルギーの消費が多いかは明確

伝統的な金融機関による送金と、ビットコインの送金 効率はまったく異なる。

ブロックチェーンがずっと効率的である。

  • 犯罪に利用される

FBIエージェントと話したことがあるが、暗号解析学者が多くいて、ビットコインのブロックチェーンはとても透明性がある

  • 投機的

直近すごく上昇していて、あまり理解せずに入ってきた人も多くいると思う。

しかしCryptoは用途が多様で、新しい生態系は支持するべき

米国債利回りが、株式のPERへ与える影響

金利が上昇すると、株式に与えられるマルチプル(Multiple)が下がるのではないか。

この問に対する答えは、10年〜20年間、知りたかった。

それが本当なら金利は継続的に下落していたので、PERは上昇し続けないとおかしかった。

しかし、20〜25程度を維持していた。

株式マーケットは、米国債の利回りをそこまで気にしていない。

10年満期米国債の金利が3%までに行くのか

名目成長率が低いので、行かない可能性もある

全世界の通貨政策でインフレーションが誘発されている

  • Good deflation:テックの発展によって起きる。自動運転車・DNA編集など、今から始まる
  • Bad deflation:伝統産業が破壊されることで起きる

伝統的な企業に未来は無い

  • 短期的な目線で、株主の顔色を伺って株価を支えることだけに集中
  • 革新はなく、現金で自社株買いと配当だけ続けている
  • しかも負債は前倒しで使っている。(GE、IBMなど)

ETFの流動性に関して

流動性に関しては誤解がある

2008〜2009年を振り返ると、

債券ファンドから逃げ出そうとしていた人が急増したが、ほとんどのファンドは取引が出来なかった。

ETFの流動性が最も高く取引も出来た。

株式のETFに対してこのような心配があることが驚きで、株式のETFは債券のETFより構造的にずっと流動性が高い。

(運用をしたことのない)モーニングスターのジャーナリストや、金融機関の人々がマーケットに恐怖を与えようとしていることに驚いた。

ETFの生態系は問題が起きたことがない。

全く心配することはなく、投資に対する決定のみを行えている。(投資信託は全く異なる)

寅さんの所感

寅さん
寅さん

ポジショントークもあるでしょうが、短期的な下がりは気にしていないという印象を受けました。

インフレーションが来るという意見には同意なので、金の積立を続けていこうと思います。

2017年のように、一時的に下落しているテック系株も含めて、すべてのセクターが上がる1年になれば嬉しいです。

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