ここ1週間、米国株がかなり下がってきています。
その原因として考えられるのがゲームストップ(GameStop)株に対する個人投資家とウォール・ストリートのヘッジファンド(複数)の争いです。
ヘッジファンドの空売り(Short、下がるのにかける)に対して、個人投資家300万人が集まり買いを集中させ、価格を釣り上げ、ヘッジファンドに買い戻しを強制するという状況です。(short squeezeと言います)
映画マネー・ショート(英語タイトル:The Big Shot)に出てくる、下がるのにかけるやり方です。
(ゲームストップ株価の推移です。金曜日は一日で67%上昇しました。)
(Google Trendをみると、ゲームストップ事態に関する世界的な注目度がわかります。)
ウォール・ストリートのヘッジファンドによる株価操作とも取れる情報発信(有名投資家のビル・アックマンによるハーバーライフの空売り&売り煽り発言等)、2008年のリーマン・ショックなど、ウォール・ストリートに対しての良くない印象を持つ個人投資家がかなり多かったようです。
Reddit(米国の2ちゃんねるのようなサイト)のWallStreetBetsという掲示板にゲームストップ株に対して、ヘッジファンドが140%の空売りがされているという情報が入り、個人投資家約300万人が集まり買いを集中させたそうで、株価はたった数週間で数十倍以上になる異常な状況になっています。
個人投資家が数週間で何十倍の利益を得た一方、ヘッジファンドの方は100%ロスしてポジションを精算したり、30%程度の損をしたりと散々です。
複数のヘッジファンドの創業者(皆億万長者)からの援助が入り、ヘッジファンドの方も負けずにショートポジションを増やしていて、事態はどんどん激しくなっています。
個人投資家が多く利用している、ロビンフッドという証券売買アプリからの売買が禁止され、ヘッジファンドは株価操作しても許されるのに、個人投資家は許されないのかと大炎上。世界一の富豪になったイーロン・マスクも「持ってないものを売れるっておかしくない?」とツイッターでつぶやいていたりと、事態はどんどん大きくなっています。一般市民対上級国民の対立に発展してきています。
個人投資家を食い物にしてきたヘッジファンドが、反対にやられていて、なかなか見ものだと思っていたら、ヘッジファンドがショートポジション維持のために別の株を売る動きがあったようで、株価が全体的に下るという状況になっていて、他人事ではなくなってきました。
引き続き、ウォッチしていこうと思います。
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