【ゲームストップ事態】イーロン・マスクによるロビン・フッド社CEOへのインタビュー【和訳】

インタビュー

Redditのユーザーから始まった、個人投資家(600万人以上)が集まり買い注文を集中させ、ゲームストップなどの株を空売りしていたヘッジファンドに大ダメージを与えたことで、市場が揺れています。

その流れの中で、個人投資家の買い注文を中止し、避難の的になっている、ロビンフッド社(Robinhood、ブローカー)のCEOと、イーロン・マスクのインタビューがありました。(下記記事)

イーロン・マスク氏がClubhouseに登場、ファンがYouTubeへライブストリーム、途中からRobinhood CEOへのインタビューに | TechCrunch Japan
米国時間2月1日の深夜、今、シリコンバレーで最もホットな音声SNS「Clubhouse」にイーロン・マスク氏が現れた。その様子は現在(日本時間2月1日20時)でも、こことここで聞くことができる。

勉強になる内容だったので原文を和訳してみました。ご参考にしていただければ幸いです。

Vlad(ロビン・フッド社CEO):
ロビン・フッドは実は複数の会社で構成されています。
ブローカー(株式売買を中継)のRobinhood Finalcialがあります。皆さんに愛して頂いているRobinhood Appがこちらです。Robinhood Finalcialはお客さんの売買を処理します。
そして、Robinhood finalcialのクリアリングブローカーである別会社のRobinhood Securitiesがありますが、クリアリングと精算(セトルメント)を担当します。
これらは、すべて別会社で、別々に運営されています。
それで、水曜日(1月27日)に、皆さんご存知でしょうが、売買量が爆発的に増えました。Redditで有名になった株(ゲームストップなど)の影響です。ソーシャルメディアで話が盛り上がり、ロビン・フッドに加入する人が更に増えました。個人投資家の買い注文がとんでもなく増えました。
この時、ロビン・フッドはiOSアプリストアで1位でした。アンドロイドのグーグルプレイでも上位でした。
木曜の早朝、私は寝ていましたが、3時30分にオペレーションチームがNSCCからファイルをもらいました。
Natural Securities Clearing Corporationです。
先程の、Robinhood Securitiesという会社がありますが、この会社はクリアリングブローカーの役割をするので、一定の金額をNSCCに保証金として預けないといけません。
その金額は、売買される株式のボラティリティー、集中度合いによって変わります。
これらは、株に対してのみ適用されます。オプションの売買に関しては、保証金は発生しません。
それで、NSCCからこの保証金に関しての資料が送られて来たのですが、要求された金額が約30億ドル(約3000億円)でした。
一般的な金額とは比べ物にならない高額でした。

イーロン・マスク:
今の話だと、彼らが要求する金額が前例にないくらい高額になったようですが、これを計算する式があるのですか?

Vlad:
簡単に状況を説明すると、ロビン・フッドは今までベンチャーキャピタルから20億ドル程度をファンディングされました。ですので、30億ドルは我々にはとても大きい数字です。
詳細に関しては、完全な式は我々にはわかりません。不明確な式で計算されますが、VaR(Value at Risk)という指標があります。他に様々な数値で計算されますが、しかし、完全に透明に公開されてはいません。
もちろんリバース・エンジニアリングで調べることは可能ですが、公開されてはいません。
任意に作られた数字があり、その数字をかけます。

イーロン・マスク:
任意に(Discretionary)とは、彼らの意見が入るということでしょうか?

Vlad:
はい。そうです。そして、彼らの意見以上に何かが入るはずです。

イーロン・マスク:
もしかして、今、不審なことが起きていますか?
急に10億ドルもの金額を要求するのがとても変に思えます。

Vlad:
30億ドルです。

イーロン・マスク:
急に大金を要求するのが変です。

Vlad:
その後のNSCCの対応は合理的だったと思います。
彼らは、この金額を下げるために我々と努力しました。
前例のない対応だったのは間違いないです。
実は私も完全には理解できていません。
NSCCで計算をどうしているのかは私も正確にはわかりません。

イーロン・マスク:
誰かがあなたを人質にしていますか?

Vlad:
いいえ。私は大丈夫です。笑
聞いてくれてありがとうございます。
確かに今回の件は、じっとしていられなかったし、実はこの話が行き来している時に私は寝ていました。
オペレーションチームが朝の3時に対応していました。
みな集まって、COOが言ったのは、NSCCの幹部を呼んで、何があったのか聞いてみよう。何かいい方法があるはずだ。と。
そして、別の電話が来たのですが、保証金を30億ドルから、14億ドルに下げてくれました。少し進展がありました。笑。ただ、まだまだ高額過ぎました。
そして、我々は、NSCCに提案をしなければならなかったです。
我々がどのようにこの特定の株に対してリスク管理をするかを提案してみようと。
我々が提案した方法は、ボラティリティーの高い株(ゲームストップなど)をチェックして、それらの株が売り注文だけできるようにすることでした。
そして、市場が開く1時間前に、朝の5時半か5時位に、NSCCから連絡があり、保証金は7億ドルだけでいいという回答でした。
そして、その金額をすぐに預けました。そして全てがうまく行きました。
我々は仕方なく、特定の株に対して、売り注文だけできるようにしたのです。
そして、我々は、この件が、顧客にはとても悪く思われることをしっていました。
辛かったのは、みなが株式売買をできるようにしようというのがロビン・フッドのスローガンですが、我々も買い注文ができるようにしたかったから辛かったです。
あの状況で他に選択できる道はなかったです。
我々に与えられた資本要求金の規制に従うしかなかったです。
それで、オペレーションチームはやるべきことをやりました。

イーロン・マスク:
誰がそのNSCCをコントロールしているのですか?

Vlad:
コンソーシアムです。
(注:NSCCはニューヨーク証券取引所、米国証券取引所NASDの共同所有会社)
完全に政府の機関とも言えません。
詳細に関しては私もよくわかっていないです。
私が思うに、市場に大きな困難(Turmoil)があって、
Redditで特定の株が流行るのが前例がないことですから。
そしてとてつもない量の取引がありました。
ですから、このクリアリング、精算のシステムにより多くのリスクが生じたことになります。
だから、より高額の保証金を要求しました。完全に非合理的なことではないと思います。
我々は、すでに株を購入したお客さんには売り注文ができるようにしました。
なぜなら、誰かを制限することは、この質問は何回もされたのですが、買い注文を制限したのに売り注文は何で制限していないんだという質問です。
もし持っている株が売れないなら、お客さんはもっと怒ると思ったからです。こちらの方がより悪い状況だと思います。
他の証券ブローカーも同じような状況だったと思います。
ロビン・フッドが主にニュースに出ていましたが、こちらの業界全体の問題という事は聞いたことがあると思います。
他のブローカーも同じように買い注文を制限しました。

イーロン・マスク:
分かりました。私には、ある機関が来て、あなたの頭に銃口をあてて、お金を入れろ。でなければ…と言ったように思えますが。
人々が気になっているのは、あなたがお客さんを裏切ったのか、あなたには選択の余地がなかったのかだと思います。
もし選択の余地がなかったのなら理解できます。
それなら、なぜあなたに選択の余地がなかったのかを明らかにする必要があります。そして、誰があなたに選択の余地がないと言ったのかを知るべきです。

Vlad:
確かにそれがフェアだと思います。我々は金融機関の義務事項を遵守してきました。この保証金を計算する式がより明確なら理想的だと思います。
透明性があり、より準備ができるようにです。
ですが、ロビン・フッドをオープンすることが出来ましたし、お客さんもロビン・フッドを使うことが出来ました。
そして、24時間後、1億ドルを追加で融資することが出来ましたので、明日市場が開くまでは、その要件(買い注文制限)を少しはゆるくできると思います。金曜日に特定の株式にかけたその厳しい要件です。

イーロン・マスク:
今回も制限があるのでしょうか。

Vlad:
理論的には常に制限があります。我々の資金には限りがありますから。ある程度の制限はこれからもある可能性があります。ご質問は、我々がかける制限を最大限に下げることでしょう。99/9%の顧客には影響が無いようにです。

イーロン・マスク:
私が思うに、人々が知りたいのは、ロビン・フッドもNSCCも選択の余地がなかったなら理解が出来ますが、あなたの頭に銃口をあてた人たちは大衆に立場を表明する必要があると思います。

Vlad:
そうですね。
手続きがありますが、今回は前例のない状況でしたし、正直にいうと、NSCCも結構合理的だったと思います。
みなにとって明確でない部分の一つは、ロビン・フッドは金融システムの参加者の一人でしかないことです。
我々は、たくさんの機関と仕事をしています。
多くの質問をされるのですが、
なぜマーケットメーカーと仕事をしているのか
なぜクリアリングハウスと仕事をしているのか
我々は垂直的に系列化をし、クリアリング・ブローカー・ディーラーを作りました。(Robinhood Secuirities)
多くの会社に出来なかったことです。
しかし、お客さんが株を売買できるようにしたシステムは、様々な機関が蜘蛛の巣のように絡み合っています。
多くの人々がこうすればよりよくなる。こうすれば改善されると言いますが、米国で株を売買するには必須であります。
これらをすべてやるしかないのです。

イーロン・マスク:
あなたはシタデルにいくらお世話になっていますか?
シタデルが不満を持ったらあなた達はどうなりますか?

Vlad:
シタデルや他のマーケットメーカーが今回の件に圧力をかけたという噂があります。
それはうそです。
マーケットメーカーは我々の売買注文を実行します。
今回の問題はクリアリングハウスの決定です。
資本要求金(保証金)の問題です。
私個人としては、シタデルのようなマーケットメーカーは今回の問題に介入していないです。

イーロン・マスク:
しかし、シタデルが、NSCCに強い発言権を持っているのではないでしょうか。政府のコンソーシアムではなく、企業のコンソーシアムなら。

Vlad:
それを信じる理由はないと思います。陰謀論だと思います。
そう考える理由がないです。

イーロン・マスク:
分かりました。
これから何が起きるのかみてみましょう。
聞いてよかったです。少なくとも面白い話でした。

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