こんにちは。寅さんです。
下落相場になると、ヘッジファンドは様々な戦略を行使して、ダメージを最小限に抑えます。ロングショート、オプション、CDS…。
個人投資家が同じことをすることは、現実的には難しいです。
この記事では、個人投資家が出来る、現実的なリスク管理方法をご紹介します。
調整は必ず来る
いつマーケットが上がるか、下がるかは誰にも分らないです。ただ、変動が大きくなる区間はある程度予測できるので、守りに入ることは可能です。
例えば、米国の大統領選挙。開票速報が入る度に激しく市場が上下していたことが記憶に新しいです。
投機ではなく、投資していこうとする方は、長期投資を目指していると思います。私もその一人です。マーケットサイクル上、暴落は必ず何回も経験することになるでしょう。
一緒に、長期のポートフォリオにおけるリスク管理を個人がどのように行えるかに関して考えていきたいです。
ヘッジの方法は多い
昔ながらのヘッジ方法としては、6040方式があります。株式60%債券40%の割合を維持していくやり方です。
マーケット全体が下がるようなことがあった場合、比較的下がりの少ない債券を売り、株式を買ってリバランスするやり方で、株式100%より高パフォーマンスを得られる可能性が高いとされています。
ただ、現在は金融商品の種類も増えたため取れるポジションも多いので、よりスマートなヘッジ方法はあると思います。同時に選択肢が多すぎて、逆に難しくなっているとも思います。
現金比率
今回は、現金を除いたポートフォリオ上のヘッジに関して解説します。
最適な現金比率は、個人によるからです。
私個人としては、最低限の現金だけを残し、ヘッジポジションを増やす方が合理的に思えるので、そうしています。
- 子供の教育費のために現在を持っておかないといけない
- 定年に近づいているので、老後資金を現金で確保しておきたい
など、人それぞれ、個人の状況に合わせる必要があると思います。
これから、ヘッジになりえる金融商品をご紹介します。
債券
債券はヘッジとして、最も一般的に使われる金融商品です。個人投資家が選べる債券の種類は非常に多いです。
アメリカ国債Treasuries
Munis
Corporate Bonds: IG, HY
短期中期長期
債券ETF
レバレッジ債券ETF
物価連動債券TIPS
グローバル債券EM EU JPN etc.
債券をポートフォリオに入れる際に考慮すべきことも多いです。
- 金利が上昇・下落: どちちを予想しているか。
- ドルが強い・弱い: どちらを予想しているか。
- 短期・長期: どちらを選ぶのか。
- 利回り: リスクと利回りのバランスをどう考えるのか。
また、一般的に債券価格は下記のように動きます。
- 株価下落 → 安全財産選好 → 債券価格上昇
- インフレーション → 金利上昇 → 利回り・元本の価値下落 → 債券価格下落
債券投資では、米国国債(Treasuries)が最も一般的です。連邦準備制度(Fed)をよく見ておく必要があります。
日本株だけに投資している方でも、米国国債を持っていると下記のメリットがあります。
- 米国株下落 → 日本株暴落(連動率高い) → 為替上がる → ディフェンスになる + 利子もある
ETF
ETFも種類は非常に多いです。セクター別に戦略を取りやすいので、便利です。私は主にこちらを利用しています。
また、ETFに関しての情報は下記のサイトから得ることができます。
マーケットサイクルに沿ってディフェンスしたい
→ Consumer Non-cyclical ETF
セクター別にディフェンスしたい
→ 不景気に強いセクターのETF
アメリカの比重を減らしたい
→ EM、他の先進国ETF
配当を多くしたい
→ 優先株ETF
個別株には投資せず、ETFだけでも十分ポートフォリオを組むことができます。
金
金をポートフォリオに入れると、ポートフォリオの変動を減らす効果があります。つまり、株式との相関関係が低いです。
また、インフレーションに対するディフェンス効果はあります。
ドルはいくらでも刷ることができますが、金は作れなく、採掘も非常に困難なので、世界中で各国の政府がお金を刷りまくっている現在、金は非常に魅力的に思えます。
投資するならETFが便利で、私はGLDMをポートフォリオに入れています。
ディフェンシブ銘柄 Defensive Stocks
個別銘柄、ETFを選ぶことができます。ETFなら、https://etfdb.com/で、Utility、Non-durable consumer stocksなどで検索すれば探せます。
S&P500と比較すると、リーマンショックの2008~2009に、S&P500は-50%,ディフェンシブ銘柄は-25~35%程度でした。非常に大きい差です。
リート REITs
マーケットが強い時に、リートは苦戦します。しかし、リセッションになるとキャッシュフローの安定性が強みとなり、下落しにくいです。
配当をカットされる、配当が停止される、などのリスクがあります。
優良株
長期化する不況、現在よりも大きく変動するマーケットに対応するために、Amazon、Appleなどの優良株を持つこと自体がヘッジになるという考え方もあります。
例えば、Amazonはコロナ下でも、下落相場に強いとされていたディフェンシブ銘柄により遥かにディフェンシブな動きを見せていました。
こんなに時価総額の大きい株をポートフォリオに入れても仕方ないという考え方もあるとは思いますが、こちらもポートフォリオに加えることを検討しています。
最後に
いかがでしたでしょうか。この記事では、個人投資家のための現実的なヘッジ方法を紹介しました。
これらのヘッジとしての金融商品をすべてポートフォリオに入れることでもないと思います。
(私は金ETF、優良株、米国債券ETFをポートフォリオの30%程度入れています。)
もし調整が来て、ポートフォリオ各資産が全体的に下がった際には、比較的に下がっていない金・優良株・債券を売って、成長株を買い、リバランスをしていくつもりです。
ご参考にしていただければ幸いです。
次の記事では、実際にディフェンシブなポートフォリオをどのように組めばいいのかに関して解説します。
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